中国の王毅外交部長(外相)は23日、公式訪米を開始した。ケリー米国務長官と中米関係および共通関心事について意見交換するとともに、今年の双方の重要な交流の準備をすることが主な目的だ。(文:華益声・国際問題専門家。人民日報海外版コラム「望海楼」掲載)
王部長の訪米は重任を担っていると言える。両国の交流が複雑な世論環境に直面していることが懸念される。最近、西側メディアは中国が永興島(英語名ウッディー島)に対空ミサイルシステムを配備していると大げさに宣伝し、さらに南熏礁、東門礁、赤瓜礁など南沙(英語名スプラトリー)諸島にレーダー施設を配備していると中国側を非難した。米シンクタンクはこれを煽り立て、中国が「将来これらの施設を利用して有効な海空監視・軍事防御を行うことができ」、南中国海の「戦略構造」に影響を与えると妄言を吐いた。米国務省も付和雷同し、「地域の緊張を激化している」と中国を誹謗した。しばらくの間というもの、南中国海問題は中米関係にとって重大な障害となったようだ。
確かに、中米が南中国海問題を避けて語らないことは不可能だ。南中国海「軍事化」の罪名を中国に押しつけようとする米側の企てに対して、中国外交部長は断固として反撃し、米側の接近偵察と南中国海における武力誇示を明確に批判した。だが指摘しておく必要があるのは、南中国海問題を含む溝が中米関係の大局に影響を与えてはならず、中米関係も一部の問題に翻弄されるべきではないということだ。
第1に、順調な意志疎通は中米関係発展の基礎となる。中米は対話継続を共に必要としている。米国は世界最大、中国は世界第2の経済大国であり、共に国連常任理事国でもあり、中米関係は世界で最も重要な二国間関係の1つであり、両国は世界の問題において決定的影響力を持っている。サニーランズでの会談、北京・瀛台での会談、ホワイトハウスでの会談を通じて、双方の指導者は両国関係の行方および重大な問題について共通認識を形成した。両国間の対話制度は整備され、成熟し続けており、政府間交流は頻繁だ。ケリー国務長官は第4回核安全保障サミットへの習近平国家主席の出席への期待を表明し、中国側がG20杭州サミットを開催することを支持するとした。今年、中米上層部は一層の交流を行う見通しだ。