ネット上で広く閲覧されている写真が11日、香港全体を震撼させた。香港のスクールバスの付近で、火がめらめらと燃え上がっていたのだ。警察は午後、暴徒が火炎瓶を学校の車両の近くに投げ、非常に危険な状況だと発表した。同日早朝、西湾河で銃を奪おうとした暴徒に続けざまに3回発砲した警官の小学生の娘の個人情報(氏名、通学先)が、暴徒によってネット上でさらされた。暴徒は「子供と妻にも災いが及ぶ」、「娘を建物から投げ落とす」と言いふらした。さらにその学校を破壊すると称した。香港の多くの保護者の不安と憤りが、本件で最高潮に達した。私たちの子供は香港で安全なのだろうか、と。「環球時報」が伝えた。
スクールバスが燃やされそうになったほか、幼稚園のバスが11日に攻撃を受けた。香港の幼稚園「Highgate House School」は11日午後、バスが早朝バリケードを回避し走行しようとしたところ、暴徒の集団が押しかけ左側の窓ガラスを破壊したと発表した。バスには園児が1人いたが、幸いにも怪我はなかったという。
ある小学4年生の母は、環球時報の記者に「これほど恐怖を抱いたことはない。学校は昼、安全面の理由から、保護者に子供を迎えに来るよう緊急連絡を行った。多くの保護者はスクールバスが安全だと思えず、自ら学校に送り迎えしている」と話した。
暴徒は11日、香港全体の交通を麻痺させた。別の香港の母親は記者に「2人の知り合いは緊急避難した子供を迎えに行けず、車を持っている知り合いに依頼し、数時間かけてようやく到着した。香港島で通学している子供はトンネルが封鎖され車が通れなくなったため、両親と徒歩で山を越えて帰宅した」と述べた。
穆さんは香港の国際学校で教員を務めている。彼は記者に「現地及び大陸部の子供と保護者だけでなく、外国人の子供も怖がっている。私たちのクラスは今日は、欠席と早退の学生が4分の1以上にのぼった。保護者が心配し、9時半に迎えに来たほどだ。多くの学生からは、道路上でバリケードや、暴徒と警察の対峙を目にしたと聞いた。私はまた学生に、移動時間がどのぐらいになるか分からないから、スクールバスに乗る前に水をあまり飲まないよう注意した。香港を離れる外国の学生が増えている」と話した。
香港の警官の妻は記者に「警察の家族はアンケート調査を受けたことがある。約900の回答者が、子供を香港から離れさせたいと回答し、うち8割が大陸部を選択した。まだためらっていた警官の妻はスクールバスが燃やされそうになった後、子供を闇に覆われる香港から離れさせることを直ちに決定した。私は子供を大陸部に送るのを来年の秋にすることで、学業への影響を弱め、賃貸住宅を探す十分な時間を確保しようと思っていたが、春にも送り出すことを決めた。もはや子供の父に毎週帰宅し、子供に顔を見せるという贅沢なことは考えなくなった。今はただ子供を安全な場所で成長させたい」と述べた。
香港紙『南華早報』は10日、「深セン市からの保護者にとって、香港の教育の魅力が急激に薄れている」と伝えた。報道によると、ある民間教育機関は今年、深セン市に分校を設立した。同校の新入生募集担当者は、「この2カ月弱に渡り、香港の保護者から入学の問い合わせが殺到している。多くの保護者は、子供とともに深センに戻すことを強く希望している。安全面を懸念する人もいれば、子供の不平等な扱いを恐れる人もいるが、いずれも子供の保護と家庭のため長期的な計画を立てている」と述べた。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2019年11月13日