米カリフォルニア州サンタクララ郡公衆衛生部門が今週発表した最新の検査報告書によると、現地では2月6日の時点で新型コロナウイルスに伴う肺炎による死者が出ていた。米国が先ほど発表した、初の死者が出た日より20数日遡ることになる。サンタクララ郡のジェフリー・スミス行政官は24日、新華社の取材に応じた際に「これは米国で確認された最も早い新型コロナ死者だ。これは新型コロナウイルスの感染が1月、さらにはより早くカリフォルニア州で始まっていたことを意味する」と述べた。
同郡の公衆衛生部門の声明によると、法医学部門は2月6日と2月17日に同郡で病死した2人の死体検案を行った。死者の検体は米国疾病予防管理センター(CDC)に送られ、新型コロナウイルスの検査結果は陽性だった。同郡の3月6日に亡くなった別の患者も新型コロナウイルス肺炎による死亡が確認された。この3人はいずれも自宅で亡くなった。
声明によると、米国の新型コロナウイルス検査能力は当時限定的で、CDCでしか行えなかった。またCDCの規定によると、感染関連地域への渡航歴があり具体的な症状が出ており、治療を求める人のみが検査を受けられた。現地の衛生部門の職員によると、最も早いこの2人の死者は感染関連地域への渡航歴がなかった。
スミス氏は新華社からのEメールによる取材に対して、「これらの死者が新型コロナウイルスの市中感染で亡くなったことは明らかだ。これは新型コロナウイルスの感染が少なくとも1月に、さらにはもっと早くからベイエリアで始まっていたということだ」と述べた。サンタクララ郡はベイエリアに位置する。
ロサンゼルス・タイムズは23日、同郡のサラ・コーディー衛生局長の「当時はインフルエンザシーズンで、検査能力が限定的で、新型コロナウイルスへの理解が初期段階にあった。そのため死者は誤ってインフルエンザにより亡くなったとされた」という発言を掲載した。
米南カリフォルニア大学公共政策学院のNeeraj Sood教授は、米メディアのインタビューに応じた際に、「死者が出始めたということは、新型コロナの患者が総人口の中で高い割合を占めており、かつウイルスがコミュニティ内で長期的に存在していることを意味する。新型コロナウイルスは初の死者が出る3週間前から市中感染が始まっていた可能性がある」と述べた。
これまで米国が発表していた国内初の感染確定者は、1月下旬にワシントン州シアトルから出ていた。ワシントン州は2月29日に新型コロナウイルスの初の死者を報告した。米国初の死者とされていた。
コーディー氏は「新たに確認された死者は氷山の一角に過ぎない。これは速やかに発見されなかった死者の一部で、市中感染の深刻性を反映している。新型コロナウイルスは1月の時点で、ベイエリアで感染が拡大していたと考えている」と述べた。
コーディー氏はさらに「より早く幅広い検査、ウイルスの感染水準の記録を行っていれば、当時すぐに新型コロナウイルス肺炎による死者を確認できていれば、より早く対策を講じ時間を稼ぐことができたはずだ」と指摘した。
カリフォルニア州のニューサム知事は、「全州の法医学部門に、昨年12月からの死者に関する調査を指示した。新型コロナウイルスの蔓延がカリフォルニア州でいつ始まったかをさらに明らかにする」と述べた。
23日付ロサンゼルス・タイムズによると、カリフォルニア州の法医学部門の検査報告書は、米国初の新型コロナウイルス感染者を理解する「重要な情報」を提供した。衛生当局者が海外からの渡航者、クルーズ船から降りた乗客の調査に専念していたころ、新型コロナウイルスはすでにコミュニティ内で「密かに」蔓延していた可能性があるという。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2020年4月26日