王毅国務委員兼外交部長(外相)は26日、ドイツのベアボック外相と電話会談を行い、現在のウクライナ情勢について重点的に意見交換した。外交部(外務省)ウェブサイトが伝えた。
王部長は「中国はウクライナ情勢の変化を非常に注視しており、情勢の緩和と政治的解決に資するあらゆる努力を支持している。欧州の安全保障問題をめぐる各国の合理的懸念はいずれも重視されるべきだ。NATOの5度にわたる東への拡大という状況の下、ロシアの安全保障上の正当な訴えは適切に解決されてしかるべきだ」と指摘。
「冷戦はとうに終結している。NATOは自らの位置付けと担う責任を再検討する必要がある。中国は、集団的対抗に基づく冷戦思考は徹底的に捨て去るべきだと考える。中国はNATO、EUがロシアと対話を再開し、均衡の取れた、実効性のある、持続可能な欧州の安全保障体制の構築を図り、欧州大陸の長期的平和・安定を実現することを支持する」とした。
また「中国は制裁を用いた問題解決には賛成せず、ましてや国際法上の根拠なき一方的制裁には反対だ。制裁が問題の解決にならないばかりか、新たな問題を作りうること、経済的に二国間または多国間の『共倒れ』を引き起こすだけでなく、政治的解決のプロセスを妨げ、影響を与えうることは、これまで行われてきた制裁の結果によってとうに証明されている」と指摘。
「中国は国連安保理常任理事国として、国際平和・安全維持の責任を常に履行している。我々は、安保理が行動を取る場合、それは新たな対立や対抗を煽動するものではなく、現在の危機の政治的解決に資するものであるべきだと考える。このことに鑑みて、中国はウクライナ問題に関する安保理決議案の議論において、決議案における武力行使や制裁の承認といった文言の使用を阻止した。中国は引き続き平和の追求と実現のために建設的役割を果たしていく」とした。(編集NA)
「人民網日本語版」2022年2月28日