米国は今年6月のG7サミットで「グローバル・インフラ投資パートナーシップ(PGII)」の始動を宣言した。米国は昨年のG7サミットでも「Build Back Better World (B3W)」構想を打ち出し、「一帯一路」(the Belt and Road)とは異なるグローバルなインフラ整備の推進を約束した。
しかし、「B3W」であれ、「PGII」であれ、「見かけが美しいだけの泡」と言った方が合っている。前者は2035年までに中低所得国のインフラ整備に40兆ドル(1ドルは約138.5円)を支援すると約束したが、米国メディアの指摘によると、世界のインフラ整備への米国政府の投資額は1年間でわずか約600万ドルだった。後者も資金調達面でより大きな困難に直面している。議会に予算計上の意思があるのか否か全く分からないままに、バイデン政権が2000億ドルの資金調達を約束したことは、他国にとっては全くの「空手形を切る」ものだったと指摘する欧州議会議員もいる。
翻って「一帯一路」イニシアティブを見ると、提唱後の9年間で、関係国に確かな利益をもたらしてきた。世界銀行の試算では、「一帯一路」の枠組みの交通インフラプロジェクトがすべて実施された場合、2030年には全世界で年間1兆6000億ドルの収益を生むことが期待される。また、2015年から2030年までの間に760万人が極度の貧困から脱却し、3200万人が中度の貧困から脱却することになるとみられている。
自国のインフラ問題すら解決できていないG7が発展途上国のインフラ整備支援を約束するとは、地政学的企みを秘めた偽善的な政治ショーと言えるだろう。(編集NA)
「人民網日本語版」2022年8月31日