灯影牛肉は四川省達県の伝統的な料理である。牛肉は「灯影」の名が示すように、灯りが透けて見えるほど薄く切られ、その名の通り透明な赤い色をしている。味は麻辣(山椒と唐辛子の味付け。四川料理の特色)で、口当たりはサクサクしていて、噛めば噛むほど味わい深い。
伝説によると、今から1,000年以上前、唐代の詩人であった朝廷観察御史の元稹という人物が、宦官や保守的官僚を怒らせて、通州に左遷された。ある日、元稹が店で一杯傾けていると、つまみの牛肉の薄切れが味も素晴らしく口当たりが良かったことに感嘆し、その場で“灯影牛肉”と名づけた。“灯影”とは影絵芝居のことで、灯光を利用して、獣皮や紙で作った人形を白い布に投影させて見るものである。“灯影”という表現を用いて表したことからも、この牛肉が非常に薄く切ってあり、影絵芝居の幕と同じように投光のもとで物が透けて見えるほどだということがわかる。
「チャイナネット」2007年12月18日