北京の特色料理である北京ダックは、こんがり飴色に焼かれ、肉は柔らかくジューシーで、味が濃く、脂っこいが飽きない美味しさが「天下美味」と称され、国内外で名をはせている。言い伝えによると、北京ダックの名の由来となった、当時、貴重な品種とされた北京カモは、今では世界でも最も優質の食用カモとなっている。
北京ダック専門店の中でも最も有名なのは「全聚徳」だろう。北京ダックが北京観光のイメージ大使となる地位を位置づけた。「全聚徳」の創業者である楊全仁氏はもともと家禽類を営む商人であった。彼は集めた資金で「全聚徳」を開き、清朝の宮廷厨房で北京ダック担当をしていた料理人を招き、宮廷の「吊るし焼き」技術を用い、吊るし焼きタイプの北京ダックを民間に広めた。北京ダックには、吊るし焼きタイプと蒸し焼きタイプのものがある。明朝永楽期に創業した、蒸し焼きタイプの北京ダックで有名な「便宜坊」は、実は全聚徳よりも歴史があり、600年近くの歴史を有している。
現在の北京ダックの主な食べ方は3種類あり、付け合せの食材も異なっている。
①味噌だれを箸ですくい、薄く焼いた小麦粉の皮の上に塗りつけ、削いだ北京ダックを何枚かを乗せ、ねぎ・きゅうり・大根の千切りなどと一緒に巻いて食べる方法。最も通常な方法である。
②すりおろしニンニクに醤油をかけ、大根の千切りなどと一緒に食べる方法。ニンニクが脂肪の消化を促進してくれる。削がれた北京ダックにニンニクや醤油の風味がプラスされ、いい匂いが増し、風味が一層増す。
③ネギやニンニクは嫌いだが、削がれたパリパリの北京ダックの皮が好きだという人は、砂糖をまぶして食べる。これは特に女性や幼児に好まれる食べ方だ。
「人民網日本語版」2008年6月30日