瀘沽湖
雲南省西部の高原にある瀘沽湖は、世間の喧騒から遠く離れ、この世とは思えないほど美しい。58平方キロメートルの水面は、深さ11メートルまではっきりと見ることができ、紺碧な水と青空がほぼ同じ色だ。湖の周りの茂った木々には、様々な形をした島が飛び交っている。
この地の現住民であるモソ(摩梭)人は、今でも母系社会の形態を維持している。一族のリーダーは女性で、家を継ぐのも女性だ。ここには結婚という形式がなく、女性が自由に心を許す男性と結ばれる。これは「走婚」と呼ばれる。
またほとんどの山や木に女神の神話があり、例えば湖の北側にある山は女神の化身とされ、「コム山(女山)」と名付けられている。