道家の深い思想が込められた三清福地の「先天八卦」の配置
山間の小道を迂回して、三清山の重要な観光スポットである三清宮にやって来た。三清山は道教の聖地として、1600年余りの歴史を持つ。そのため、三清福地やその周辺には歴史ある多様な人文景観や道教の古建築が数多く残る。三清福地は三清山の古建築の中心。道士の葛洪が1600年余り前に残した霊泉の井戸は今なお涸れることはなく、宋代に建設された三清宮と石坊も保存されている。摩崖石刻や古墓には、道家の「法本自然」の思想がはっきりと表れている。
三清宮景勝地の古建築群に見ることができる「先天八卦」の配置も非常に面白い。三清宮は全体の中心に置かれ、ほかの建造物は三清宮を中心として八方に配されている。先人たちは「道法自然」の法則を十分に運用し、借景を利用して建造物を構築し、自然と人文景観の見事なまでの一体化を実現したのである。