一段と強力な金融改革案が打ち出される見通しとなった。中国では、先ごろ開かれた中央全面深化改革指導グループ第十五次会議では、国有企業、財政・税制、金融、司法、民生などの分野について、強力で堅実かつ一般大衆の生活に即した改革案を集中的に発表する計画が示された。
中国は今年に入ってから、預金保険制度と譲渡性預金(CD)の試験導入、人民元為替相場形成メカニズムの改革など、金利と為替相場の改革について重要な一歩を踏み出した。「経済参考報」の取材によれば、今後は国内金融機関の改革、資本勘定の一段の開放などが金融改革の目指す方向だとされており、個人のクロスボーダー投資の規制緩和、国内銀行の事業部制分社化改革の深化など一連の措置が重点となる見通しだ。
金融改革の一環として、中国は近年、資本勘定の開放推進に取り組んできた。現時点で、国際通貨基金(IMF)が区分する資本勘定40項目のうち、4項目を除けば、中国は完全ないしは一部で交換自由化を実現している。自由化されていない4項目は主に、非住民の国内通貨市場や投資信託市場、デリバティブ取引への参入などだ。
資本勘定の開放について中国指導部が具体的なタイムテーブルを示したことはないものの、業界関係者の間では2015年に大詰めを迎えるというのが一般的な見方となっている。中国人民銀行(中央銀行)の周小川総裁は今年3月に、2015年は「十二五計画(第12次5カ年計画、2011~15年)」最後の年であるとし、人民元の資本勘定での自由交換実現に意欲を示した。また「金融市場の開放については、今年は一連の小型の改革を進める」と述べ、市場では「改革への強いシグナル」と受けとめられた。