中国青年報社会調査センターと新浪網ニュースセンターが2月初めに共同で実施した調査によると、3066名の回答者のなかで76.8%の人が電子オーブン使用に反対しており、これが伝統的な製法に取って代われば「深刻な文化の流失」になると考えている。また、62.8%の人が、電子オーブンを使用するようになれば、ダックは「KFC(ケンタッキーフライドチキン)のようなファストフードになり果てる」と懸念している。
ある市民も「電子オーブンで焼いたダックとKFCのチキンとどこが違うの?コスト節約や利益のことしか考えない行為」と疑問の声をあげる。
全聚徳側は、伝統的なダックがもつ果樹の香りと旨みを保つため、焼く前のダックに特製の天然果汁を塗ることにし、この問題を解決したという。しかし、「配合飼料で育てられたものと100%穀物で育てられたものとは味が違う。伝統的な焼き方と電子オーブンで焼いたのが同じ味なんてあり得ない」と懐疑的な声もある。
取材のなかで多くの消費者が言ったことが、「電子オーブンを取り入れたら北京ダック特有の価値はもうなくなる。それなら、全聚徳は“手抜き行為”によって浮いた分を値下げするのか?」ということだ。全聚徳のダックは1セットで198元だが、北京の大部分のレストランのダックは1セット38~58元だ。
全聚徳は昨年11月、中国の飲食店グループとしては初めて深セン証券取引所に上場し、3億8800万元の資金集めに成功した。同グループには9つのレストランと61の加盟店があるが、五輪開幕前に業務を拡大し、世界的な名声を確立したいと目論んでいる。
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