人民元レート改革が国民生活に与えた影響も大きい。改革当初、ほとんどの人はレートと自分の生活には何の関係もないと考えていたが、3年後の今日、レートは熱い議論が交わされる注目の話題へと徐々に変化した。
現在のレートへの関心をみると、ある側面からますます国際化する中国人の生活ぶりを映し出していることがわかる。輸入消費財を買い、海外留学をし、海外旅行をし、といったことはすべてレートと関連がある。
人々の生活への影響をみると、人民元レートが適切に引き上げ調整されると、輸入消費財の価格が下がり、国内居住者の実質的な消費力および消費レベルが高まるとともに、海外旅行や海外留学にかかる費用が以前よりも安くなる。全体としてみると、人民元上昇は国内の消費者の生活水準を高めることになる。
人民元の対香港ドル価格も上昇し、これにより大陸部居住者の香港でのショッピングコストがより低下し、実質的な恩恵がもたらされるようになった。こうして大陸部居住者の香港ショッピングブームと香港居住者の人民元預金ブームが促進された。
以前は個人の外貨購入は厳しく制限されていた。2005年8月、レート改革のスタートからわずか半月ほどで、国は国内居住者の個人海外旅行に際しての外貨購入限度額の引き上げを発表。その後、個人の外貨購入政策はたびたび調整され、現在では年間の購入限度額が5万ドルまで引き上げられた。購入手続きも徐々に簡素化している。
国家観光局のデータによると、2007年の中国国民の出国者数はのべ4095万4千人で、2005年に比べて32%増加した。うち私的な理由での出国者数が増加を続けており、ここから海外旅行が国民の生活に入ってきたこと、レート改革が多くの中国人の生活をますます便利にしていることがうかがえる。
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