中国60年 輝かしい数字の背後の喜びと憂い(後編)

japanese.china.org.cn  |  2009-08-26

中国60年 輝かしい数字の背後の喜びと憂い(後編)。この60年間、世の中は大きく変化し、波瀾に満ちていた。これまで経験したことのない多くの変化を人々は見てきた。成果は喜ぶべきものであるが、輝かしい数字を通して、中国の基本的国情が依然として発展途上国レベルであることを冷静に認識しなければならない…

タグ:中国 60年 数字 背後 経済

発信時間:2009-08-26 10:38:38 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

この60年間、世の中は大きく変化し、波瀾に満ちていた。これまで経験したことのない多くの変化を人々は見てきた。成果は喜ぶべきものであるが、輝かしい数字を通して、中国の基本的国情が依然として発展途上国レベルであることを冷静に認識しなければならない。

 

 中国60年 輝かしい数字の背後の喜びと憂い(前編)

 

 新中国成立60周年

 

鉄道総延長アジア1位 依然として「切符1枚すら入手困難」

中国の鉄道は総延長がアジア第1位、旅客輸送量など多くの指標でも世界一となったほか、研究開発した最新の動力ユニットも世界一流レベルに達している。

新中国成立時、鉄道総延長は2万キロ余り、装備も非常に低水準であった。だが、2008年末には総延長は8万キロに達し、世界第2位になった。

中国鉄道博物館に展示されている様々な時代の機関車は、鉄道事業の発展の輝かしい道のりを物語っている。1952年に青島四方機車車両廠で製造された解放型蒸気機関車も同館で見ることができる。当時、この機関車は時速70キロで走行し、中国の機関車産業の幕開けを告げた。時は流れ、現在、京津都市間鉄道(北京-天津間)は時速350キロの動力ユニットを採用し、世界最速の高速鉄道として運行している。

非常に大きな成果の背後には、同様に大きな不一致が存在している。総延長8万キロの鉄道は、国民1人当たりに換算すると7センチとわずかタバコ1本分の長さしかない。輸送能力不足は大きな問題となっており、「一票難求(切符1枚すら入手困難)」という状況は依然として解消されていない。特に毎年「春運(旧正月前後の帰省・Uターンラッシュ)」の時期になると、鉄道を容易に利用できない状況は人々を悩ます。

こうした状況について、鉄道部の王勇平報道官は「『解決の道』は鉄道建設を加速し輸送能力を高める以外にない」とした上で、「2012年までに、鉄道営業距離は11万キロに達する計画だ」と明らかにしている。

 

穀物生産6年連続大豊作 リスク防止も未だ安心できず

1972年、中国は世界で初めてスーパーライスの栽培に成功し、袁隆平氏と彼が開発したハイブリッドライスは世界を驚かせた。これより前、湖南省の米の収穫量は1ムー(15分の1ヘクタール)当たりわずか300キロだった。だが、2008年にはモデル地区で、スーパーハイブリッドライスの収穫量が1ムー当たり900キロの大台を突破した。

2008年初めのデータによると、中国の穀物の国家備蓄量は世界平均の2倍以上に上る。中国は世界全体の耕地面積の10%にも満たない耕地で、世界人口の22%の食糧問題を解決し、完全な自給自足を実現した。こうした努力を通じて、新中国成立から60年にわたる穀物生産発展の歩みを世界中の人々に示してきた。


今年、中国の穀物生産量は6年連続の増加を実現。国際穀物価格が不安定な動きを見せる中で、中国の穀物生産は連年豊作を達成しており、国際的な食糧安全保障で「スタビライザー」の役割を果たしている。

だが、世界一の人口大国である中国が、食糧安全保障問題で気を緩めることはない。「いかなる時も、我々は食糧問題を解決したと軽率に述べることはできない」と何康元農業部部長は語る。

農業部の専門家は「地球温暖化とバイオ燃料の急速な生産拡大が、穀物供給にマイナス影響をもたらす新たな問題となっている」と指摘する。気候変動の影響を受け、中国では農作物の病虫害が深刻化している。特に、工業化や都市化の急速に進展する中で、「耕地面積18億ムー(約1億2000万ヘクタール)」の最低ライン死守の目標は、厳しい課題に直面していると言える。

 

世界最大の新車市場に躍進 自主ブランド確立は任重くして道遠し

渋滞は近年中国の一部大都市で頻繁に現われる新たな「風景」となっている。

中国自動車工業協会のデータによると、今年上半期の国内自動車販売台数は初めて600万台を上回り、中国はこれまで自動車大国として名を馳せていた米国と日本を抜き、世界最大の新車市場となった。

少し前までは「自転車王国」が中国を訪れた外国人の第一印象だった。だが、現在では中国の大都市において「モータリゼーション」が進展している。

「私が結婚した頃は、自転車が1台買えればうれしくて仕方がなかった。現在、私たちの地区では半分以上の家庭が小型自動車を持っている」とすでに退職し北京市勁松で暮す于静英さんは話す。

中国が自動車大国となり、庶民の生活が改善した状況から、自動車産業が急速に発展を遂げたことがうかがえる。だが、現実を直視しなければない。現在、海外メーカーとの合弁生産によるブランド、あるいは海外ブランドの純輸入車が中国の自動車市場全体の70%を占める。また、中国には世界的な自主ブランドが1つもないほか、核心となる重要技術も海外メーカーが握っている。

「苦難と挑戦を避けることはできないが、我々は揺るぎない決意を持って自主革新の道を進み続けなければならない。これこそ産業が成功を収める道である」と吉利集団の李書福董事長は話す。さらに「自主革新を進め産業規模を絶えず拡大すれば、中国車は必ず世界市場に進出することができる」との見方を示している。

「チャイナネット」 2009年8月26日

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