ロシアのプーチン首相は12日から14日にかけて中国を訪問し、上海協力機構(SCO)の首脳理事会会議に出席する。また訪問中に、中ロ間の高速鉄道の発展をめぐる覚書に調印する予定で、完了すれば中国はロシアの高速鉄道建設を支援することになる。「環球時報」が伝えた。
ロシアメディアによると、ウラジオストクとハバロフスクを結ぶ鉄道幹線には中国の高速鉄道技術が採用される見込みだ。工事費は数十億ドルから百億ドル以上とされる。中国の技術が採用されれば、ロシアの人々の「メードインチャイナ」に対する評価が大幅に上がるだけでなく、この地域をめぐってくすぶる「中国脅威論」をある程度打ち消し、同鉄道を中ロ友好のシンボルとすることができる。
高速鉄道技術はドイツ、フランス、日本などの国で特に発達しているものだ。それではロシアが中国に支援を求めるのはなぜか。ある関係者は、中国の高速鉄道はロシアにとって少なくとも次の3点で魅力があると説明する。第一に、作業工程、通信信号、牽引・給電から客車の製造に至るまで、一括した輸出が可能なことで、これは他国にはまねのできないことだ。第二に、中国の高速鉄道技術には何段階ものレベルがあり、時速250キロの既存路線を改造することもできれば、時速350キロの新しい路線を建設することもできることだ。第三に、中国の高速鉄道は製造コストが低く、他国より約20%安いことだ。
国務院発展研究センターの丁一凡研究員は次のように述べる。現在の世界で高速鉄道技術を真に得意とするのは日本とフランスの2カ国だけだ。中国の高速鉄道技術をロシアに輸出できれば、中国の技術が他国に認められたことになり、中国の海外市場開拓の可能性が広がり、ひいてはメードインチャイナが世界で新たな陣地を獲得することにつながる。
「人民網日本語版」2009年10月13日 |