ホーム>>経済>>視点
西部大開発 計画から実現まで
発信時間: 2009-12-02 | チャイナネット

調査研究での共通認識:計画は自然のルールを尊重すべき

————西部開発弁公室総合計画チームで大量の調査研究活動を中心になって進めていらっしゃいましたが、当時最も強く心に感じたのはどのようなことですか。

計画を青写真から実現化するプロセスは非常に大きな困難を伴います。国家指導者はいずれも幾度も自らチームを率いて調査研究を行いました。チームの誰もがみな心に深く感じたのは、西部開発計画は人と自然との関係を尊重し、人と自然との調和を考慮すべきであるということでした。

1998年から2000年までの間、当時総理だった朱鎔基氏は合計5、6回西部へ調査研究に赴き、退耕還林(転用農地を林・草原に戻す政策)を打ち出しました。1998年に発生した洪水はまだ人々の記憶に新しいところですが、その主な原因は長江上流域の深刻な土砂流失にありました。このように、西部で自然環境保護が不十分な場合、現地の住民だけでなく国全体に影響を及ぼすことになるのです。退耕還林政策では政府が農民に補助金を支給し、急傾斜地にある収穫量の少ない耕作地を林に戻すと同時に、耕作に適した土地の収穫量を向上させています。こうした政策は現地の自然環境の回復に役立つほか、農民の食糧の確保やよりよい生活の保障を可能にしました。退牧還草(放牧地を草原に戻す)や風砂発生地域整備などもこれと同様のプロジェクトとなっています。

西部資源開発における環境保護は誰もが関心を寄せる課題となっています。西側諸国の経済学に「資源の呪縛」という表現があります。つまり、ある地域で資源を開発するだけでは、現地の住民に実質的な利益はもたらされず、資源が豊富であるにもかかわらず困窮したままになります。同時に、資源開発がもたらす環境問題が処理されなければ、現地には将来的な影響に対する懸念が残されます。私たちは計画策定時に、環境保護意識の高い企業に限り資源開発への参加を認め、開発時には環境管理にかかる費用を負担させています。実践によって証明されていることですが、資源開発と環境保護は調和させることができるのです。内モンゴル自治区オルドスはその一例です。現地の住民は資源によって豊かになり、同時に現地の植生被覆率も30%から75%に上昇しました。

     1   2   3   4    


  関連記事

· 西部地区の観光収入、2002~08年は平均24.5%増

· 西部大開発から10年 造林面積3065万㌶に

· 中国、西部大開発の戦略的高地の構築に力(3)

· 中国、西部大開発の戦略的高地の構築に力(2)

· 中国、西部大開発の戦略的高地の構築に力(1)

  同コラムの最新記事

· 清川佑二理事長「日中経済関係の新たな展開を」

· ドバイ・ショックは中国の外貨準備投資のチャンス?

· 食糧安全を確保する有力な対策

· 株価指数先物は来年の中国株式市場の原動力に

· 中央経済活動会議がまもなく開催 世界経済に影響へ