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西部大開発 計画から実現まで
発信時間: 2009-12-02 | チャイナネット

開放される西部 全く新しい局面

————中国西部地域は多くの国と国境を接していますが、西部大開発は隣接諸国に何をもたらしたのでしょうか。

皆さんも知っているように、インフラ建設は西部開発の重点です。国は道路、鉄道、空港などの建設に大量の資金を投入していますが、これによって西部の交通は全く新しい様相を呈することになります。交通が便利になったことで経済・貿易活動の基盤が築かれました。例えば、新疆ウイグル自治区と中央アジア諸国との間の交通利便性の向上が、辺境貿易の発展を促したことは間違いありません。

交通利便性、貿易、人的交流も観念の変化を促進しました。思想的な解放もまたより広い西部の開放につながっています。西部の住民は中国東部地域に視線を注ぐだけでなく、隣接諸国にも目を向け、商品流通、建設工事、天然ガスと石油の産出・供給などの分野でこれらの国々との協力関係を強化しています。豊かになった隣接諸国は購買力を持ち、貿易の発展を促進していますが、これは互いに利益を得るプロセスと言えます。近年、中国西部と隣接諸国との両地域間の貿易額は倍増している点もこうした状況をよく物語っています。西部の広大な大地の開放が、中国の全方位的な開放という局面を切り開いたと言えるでしょう。

西部の改善は少数民族地区の改善を意味する

————西部地域には少数民族地区が多いですが、西部大開発戦略がこれらの地区にどのような変化をもたらしましたか。

西部は中国の50あまりの少数民族が集中する主な地域です。西部には中国の5つの少数民族自治区と30の少数民族自治州があり、少数民族人口の70%が居住しています。言い換えれば、西部の発展は少数民族地区の改善を意味するのです。

私は幾度も少数民族地区へ調査研究に赴きました。当時、整備の立ち遅れた現地の交通機関の状況が強く印象に残りました。九寨溝に行くのに1週間もかかりましたが、今は変わりました。直行便があり、世界的に有名な観光地になりました。観光業の発展で現地住民は豊かになり、その他の産業の発展ももたらされました。もちろん、こうしたプロセスにおいていくつかの問題が発生する可能性があります。閉鎖的な環境から抜け出せば、これまでとは対照的な違いが現れることもあるでしょう。しかし、全体的に見て、西部開発スタート以降、中国の少数民族地区の経済、文化が最も繁栄した時期を迎えていると言えるでしょう。

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