このほど開催された2009年北京国際都市軌道交通展覧会では、国内各都市の軌道交通発展計画図が展示された。それによると、2016年をめどに軌道交通89路線が新たに建設され、総建設距離は2500キロメートル、投資総額は9937億3千万元に達する見込みという。中国はすでに世界最大の都市軌道交通建設市場であり、ビジネスチャンスは1兆元に迫る。国内・海外の軌道交通設備メーカーは中国市場に注目し、激しいシェア争いが繰り広げられている。中国は軌道交通分野で独自の知的財産権を備えた技術の獲得に成功し、これは世界的にも認められ、軌道交通設備の海外市場でみるべき成果を上げている。
▽広大な軌道交通建設市場
中国の都市軌道交通建設は急ピッチで進められてきた。1995年から2008年までの12年間に、軌道交通が建設された都市は2都市から10都市に増加し、投資額は毎年約100億元のペースで増大してきた。現在、この10都市に計31本の都市軌道交通路線が走っており、営業距離は835.5キロメートルに達する。国務院がこのほど承認した22都市の地下鉄建設計画は、総投資額が8820億300万元に上る見込みだ。
1兆元規模のビジネスチャンスを秘めた広大な中国軌道交通市場。その恩恵を最も直接的に被るのは鉄道車両の製造業だ。2010年には都市軌道交通は55路線、営業距離は1500キロメートルに達する見込みで、車両6千台以上が必要になり、現在の1台あたりの平均価格約600万元で計算すると、車両投資だけでも規模は360億元に達することになる。北京を例に取ると、2015年には561キロ規模の軌道交通網が形成され、総投資額は1669億6千万元に達する見込みだ。大まかな統計に基づいて営業初期段階の必要車両台数を計算すると947台となり、軌道交通車両メーカーに大きな市場チャンスを提供することが予想される。
国務院が地下鉄建設プロジェクトを承認する場合の目安として、▽都市人口が300万人超▽国内総生産(GDP)が1千億元超▽地方財政の一般歳入が100億元超--の3つの基準が挙げられる。国家発展改革委員会によると、現在全国で基準を満たす都市は約50都市あり、軌道交通建設の未来には巨大な潜在力が秘められているという。
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