▽都市化が軌道交通を推進
ある国の軌道交通建設が発展するかどうかは、その国の都市化水準と密接に関連する。ここ20-30年来、中国の都市化プロセスは目立って加速し、都市化率は1979年の17.9%から2008年は45.68%に上昇。昨年末時点で全国の都市総数は655都市になり、2020年には都市化率が60%に達する見込みだ。
都市化プロセスの加速や自動車台数の急激な増加は交通渋滞をもたらす。自動車の個人保有台数は1985年の28万5千台から、08年は3501万台に激増した。国際的な大都市では自動車保有台数の飽和点は300万台から400万台とされ、これに基づくと北京や上海などの大都市では保有台数がすでに飽和状態に迫っている。北京の人口は1700万人、車両総台数は350万台を越えており、交通渋滞を解消するには、軌道交通を発展させるのが最も根本的な解決策となる。
世界の主要大都市では、軌道交通の輸送量が公共交通の輸送量全体に占める割合が50%を越えており、中には70%を越える都市もある。パリは人口が1千万人、年間の旅客輸送量はのべ12億人で、軌道交通が公共交通に占める割合は70%に達する。モスクワは55%だ。ロンドンには9本の地下鉄があり、営業距離は500キロ、一日あたりの旅客輸送量はのべ300万人に達し、市民の移動ニーズの40%をまかなっている。東京を中心とする日本の首都圏には280キロ規模の地下鉄路線網があり、軌道交通システムの一日あたり旅客輸送量はのべ3千万人を超え、軌道交通で公共交通の旅客輸送量全体の86%を担っている。
都市軌道交通建設は、都市化プロセスがもたらす交通圧力の緩和に重要な意義をもつ。北京地鉄運営有限公司の謝正光董事長(会長)が述べたところによると、2015年には北京の軌道交通の一日あたり旅客輸送量はのべ1千万人を超え、公共交通の旅客輸送量全体の50%以上を占める見込みだ。計画によると、上海では2010年に軌道交通路線の一日あたり旅客輸送量がのべ600万人に達し、市内の公共交通の旅客輸送量全体の約35%を占めることになるという。
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