中国人民銀行(中央銀行)の周小川行長(総裁)は22日、ポスト金融危機時代における中国金融業の改革・発展をテーマとする2009年中国金融フォーラムに出席した際、次のように述べた。外部環境の複雑さと国民の理性的な予想が十分に実現できないことによって、人民銀は引き続きさまざまなツールを駆使して通貨政策の調整を行っている。中国の通貨政策は一貫して4つの目標に照準を定めている。すなわち低インフレ、経済成長、高い就業率の維持、国際収支の基本的なバランスに向けて政策措置を制定し、実施している。「国際金融報」が伝えた。
周行長によると、1990年代後半以降、特に21世紀に入って以来、世界では多くの国が通貨政策の目標は単純であるべきとし、インフレの抑制を通貨政策の唯一の目標ととらえてきた。一時期には少なからぬ国でこうしたやり方が非常によい成果を挙げたが、このたびの金融危機への対応では明らかに力不足となっている。
中国の通貨政策は4つの目標に沿って設定されている。すなわち低インフレ、経済成長、高い就業率、国際収支の基本的なバランスだ。中国経済は改革・軌道修正期にあたり、通貨政策の具体的な運用メカニズムと伝達メカニズムは先進国や市場化レベルが高い多くの新興市場国と異なる。こうしたことを受けて、中国には通貨政策の設定において複数の目標を堅持する必要性が生じた。
全体としていえば、人民銀が使用する調整ツールには、預金準備率の調整、国際収支バランスのアンバランス改善、外貨資産の購入、リスクヘッジなどがある。国際収支のバランスを維持するために、帳簿上の外貨資産のリスクヘッジを行い、利差に対し一定の調整を行うことも必要だ。
「人民網日本語版」2009年12月23日 |