外貨準備の運用が懸念されている問題に対し、中国国家外貨管理局は6日、「米ドル安が必ずしも中国の外貨準備に大きなダメージを与えるということはない。具体的にどれほどの影響が及ぶのかについては全面的な分析を要する。だが、中国の外貨準備は、責任ある長期投資者として、常に分散させて運用している。欧州市場は、過去・現在・未来を通して、外貨準備の主な投資市場のひとつである」と表明している。外貨管理局はまた「長期的で、安定した、よりよいリターンを得る自信がある」と述べている。
現在、中国の外貨準備の中で米ドル建て資産は大きな比率を占めている。大幅な米ドル安になれば中国の外貨準備高が目減りすることが市場で懸念されている。全国社会保障基金理事会の戴相龍理事長は先だって中国人民銀行の機関誌「中国金融」の誌面で、「2010年4月末時点で、中国の外貨建て資産は中央銀行が保有する総資産の82%を占めている。うち米ドル建て資産はおそらく60%を上回っている」と表明している。外貨準備のほとんどは、米国など先進国の国債の購入に充てられており、その利回りはわずか3%前後に過ぎない。2002年4月から2009年末まで、米ドル指数で見ると、米ドルは41%下落している。中国の外貨準備は大幅に上昇しているため、必然的に資産目減りのリスクは増加している。