米ドルが大幅に下落し、中国の外貨準備が大きな損失を受けるか否かの問題に対し、外貨管理局の関係者は昨日、外貨管理政策で懸念されている問題についてコメントを述べた際に、「この問題は詳細な分析を要するものである。中国は長年、外貨準備の運用により安定した収益を保持してきた。資産収益率が米国のインフレ率を上回れば、準備高の実質購買力は安定した上昇を維持することができる」と表明している。
上述の外貨管理局の関係者によると、まず外貨準備の通貨別割合および各通貨の対人民元相場の傾向を総合的に考慮しなければならない。外貨建て資産は数種類の通貨を割り当てる。米ドルが下落したとしてもユーロなどその他の通貨が上昇する可能性があるため、ある程度は相殺するのである。このため、米ドル下落による外貨準備へ及ぼす影響の程度を知るには、中国の外貨準備の通貨別割合に基づき詳細に分析する必要がある。
次に、中国の外貨建て資産は、人民元に換金した際にようやく実際の損益が分かるようになっている。外貨準備は主に外貨建て資産の形態をとっているため、戦争や危機などの特殊な状況が発生でもしない限り、人民銀行は外貨建て資産を人民元に大規模に換えることはありえないため、米ドルが対人民元相場で下落したからといって外貨準備に実際の損失がある訳ではない。