日本の財務省はこのほど、中国が今年6月にも日本国債への投資拡大を続けたことを明らかにした。その額は今年1月から4月の合計を上回り、5月に次ぐ規模となった。これにより、上半期の中国の日本国債への投資額は過去最高となる1兆7000万円を突破した。「国際金融報」が伝えた。
これほど大規模で継続的な円投資に対し、その原因を中国の外貨多元化投資戦略とまとめる見方が強いが、ドルが危ないなら、円が中国の外貨準備高2兆4500億ドルの新しい行き先になるのか?
その答えはもちろん「ノー」だ。その理由の一つは、日本は実際には数字上の「破産国家」だからだ。国際通貨基金(IMF)の最新データによると、日本の公的債務総額はGDPの229%、先進国で首位を占める。それに比べると、主権債務危機が起きたギリシャの公的債務総額はGDPの113%でしかない。それなのに国際的な格付け機関が日本円を「見逃している」のは、日本国債の国内保有率は9割にのぼり、国外での保有量は4.6%にすぎないからだ。
2つ目の理由は、米国債などに比べ、日本国債の収益率は最も低い。例えば米国の10年物国債の利回りは3%以上であるのに対し、日本の10年物国債の利回りはわずか1.1%。しかも日本国債は流通性が極めて低い。
このため、リスク面から見てもリターン面から見ても、円は中国外貨の戦略的転換の向かう先とはなりえない。1兆7千億円の国債は今の為替相場で計算すると200億ドルにしかならない。米国債への8000億ドルの投資に比べればわずかなものだ。