▽インドの事情:インフラ建設を希望
インドが日本との協力強化を望むのは、インフラ建設を発展させたいというのが主な理由だ。だがそのためには日本の技術提供が欠かせず、実際に利益を得られなければ、両国の協力は引き続き限定的なものになる。
インドのインフラ建設には、資金調達の難しさ、技術や人材の乏しさといった問題がある。日本は円高の圧力を受けて、海外資産を購入してリスクヘッジすると発表。シン首相は訪日に先立って支援の手をさしのべ、中国が日本向けレアアース(希土類)の輸出を減らしているという「絶好の好機」を利用して、日本とのレアアース貿易協力を促進したいとの考えを明らかにした。シン首相は「日本はわれわれを助けて多くのインフラ施設を建設してくれ、これらはインド経済のモデル転換にプラスとなった。よって、中国市場が飽和に向かう今、インドは日本に市場を開放する」と述べた。
インドのある学術関係者によると、インドは新たな協力パートナーを探しつつ、決して中国市場を軽視しない。日本の経済政策や政局には不確定要因が存在し、特にたびたびの首相交代が、外交政策の変数を高くしている。また世界的な通貨安競争の危機がまだ消え去っておらず、日本円が15年ぶりに高値を更新したことが、日本の輸出産業にとって脅威となっている。日本銀行(中央銀行)は今週も限りなくゼロに近い金利政策を維持する見込みで、28日に発表される予定の通貨政策は、米連邦準備制度理事会(FRB)の顔色を大幅にうかがったものになるとみられる。中日経済の安定性をおしはかれば、中国市場の吸引力はさらに増すといえる。
「人民網日本語版」2010年10月26日