大阪市立大学大学院経済学研究科の山下英次教授は7日、上海で開かれた第4回世界中国学フォーラムで、通貨価値の安定に向けて、アジア通貨体制を構築し、これを基礎としてアジア通貨単位(ACU)の導入を進めるべきだ、との見方を示した。中国国営の中国新聞社が伝えた。
山下教授は、中国と日本には国際金融通貨体制の構築においてリーダーシップをとる資格があると指摘。両国は共通通貨体制の構築を見据えたアジア地域統合の推進をともに牽引(けんいん)する一方、世界金融通貨体制の再構築においてもドイツ、フランス、スイスなど債権大国と連携し、新たな国際通貨体制の構築をはかるべきとの認識を示した。また現在の変動為替相場制では経済危機が頻繁に起き、通貨市場の秩序や責任主体が失われており、同時に国際通貨体制が債務国の論理に基づいているため、固定相場制の構築にさまざまな障害がもたらされている、と語った。