第7回世界高速鉄道大会が12月7日、北京で開幕した。今大会は初の欧州以外での開催となり、中国の高速鉄道の世界的な地位がますます高まっていることの現われといえる。
中国の高速鉄道の総営業距離はすでに7531キロに達する。現在、さらに多くの高速鉄道を建設中で、高速鉄道の営業距離と建設規模は世界一だ。急速に発展する中国の高速鉄道は、国内の交通構造だけでなく、世界の高速鉄道市場も変えた。中国の高速鉄道の「海外進出」は、これまで中国が得意としてきた安価な労働力の輸出ではなく、ハイエンド技術分野での協力なのである。
タイのステープ副首相とラオスのソムサワット副首相は7日、中国と共同で建設する中国・タイ・ラオス・ミャンマー・シンガポール・マレーシア鉄道に大きな期待を寄せ、経済促進のためにも一日も早く建設し、中国と東南アジア諸国連合(ASEAN)との経済貿易交流を強化したいと語った。ステープ副首相によると、タイの国会はすでにこのプロジェクトを承認しているという。
中国鉄道部の劉志軍部長と仏アルストムのパトリック・クローン会長は7日正午、中国国内及び国際市場の需要に応える先進的な鉄道商品を共同開発することで長期協力協定を結んだ。双方は「動車組」(中国版新幹線)や電気機関車など既存の協力の基礎の上に、鉄道分野での新たな提携を加速させていく。提携の内容は、中国北車と共同開発する都市間鉄道車両、高速列車、機関車、都市間鉄道と高速鉄道で使用する信号システムなど。
米ゼネラル・エレクトリック(GE)も7日午後、中国南車と協力枠組み協定を結ぶと発表。米国に合弁会社を設立し、高速鉄道やその他軌道交通技術の米国市場での普及・発展を目指す。投資額は約5000万ドル。これにより、中米両国の企業が米国で高速列車を共同生産し、それが米国の高速鉄道で使用されることになり、協定合意は、中国高速鉄道の米国市場への正式進出を意味する。GEのジョン・ライス副会長は合弁会社について、「フロリダ州とカリフォルニア州の2つの高速鉄道プロジェクトに高速鉄道技術を提供する初の米メーカーになることを目指す。中速の『動車組』や都市間軌道交通車両の生産によって、米国の旅客交通輸送システムの発展を支援していきたい」と述べた。
この協力枠組み協定の合意は、GEと中国鉄道部が2009年11月に結んだ戦略的提携に関する覚書に続くもので、中米両国の企業が米国高速鉄道の発展を支援するための重要な一歩だ。
GEトランスポーテーション・システムも単独で中国鉄道部と戦略的提携に関する覚書を締結。軌道交通技術での協力をさらに拡大して、中国及び北米市場にサービスを提供していく見込み。
このように中国の高速鉄道は海外進出を加速させているが、試練も少なくないとの指摘もある。