興業銀行のシニアエコノミスト魯政委氏は「今回の預金準備率引き上げにより約3600億元の資金が凍結される。実際のリスクヘッジ力は全体として緩やかなものだが、予測に与える影響はより大きい。よって通貨市場に『短期金利は高からず、中・長期金利は低からず』といった状況が出現する可能性がある」と話す。
また魯氏は「今回の預金準備率引き上げ後、春節(旧正月、今年は2月3日)までの間に金利引き上げが行われる可能性はほぼゼロだ。第1四半期(1-3月)に中央銀行は2回の預金準備率引き上げを行う可能性がある。今年末までに金融機関の預金準備率は23%前後に引き上げられるとみられる」と話す。
だが市場では、今回の準備率引き上げは悪材料ではなく、インフレ抑制のためであり、人民銀が続く数カ月間に相次いで金利引き上げを行う可能性は排除できないとの見方が一般的だ。
ドイツ銀行グレーターチャイナエリアのチーフエコノミスト馬駿氏は、上半期には金利引き上げが2回行われ、1回あたり50ベーシスポイントが引き上げられる見込みと指摘し、「こうした金利引き上げの動きは市場を揺り動かす衝撃となり得るもので、政策決定層のマイナス金利問題解決への決意と信頼感を示すものであり、インフレ観測の悪化を早期に抑制する上でプラスになる」と話す。
「人民網日本語版」2011年1月17日