中国は何を頼りに「中所得国の罠」をかわせばいいのか

中国は何を頼りに「中所得国の罠」をかわせばいいのか。 経済成長に関する悩みは尽きない。中国ではGDPが世界第二になった余熱が冷めやまぬなか、いわゆる「中所得国の罠」の議論が静かに持ちあがっている。ここ最近、国内外の学者が口々に議論を戦わせ、この新興大国が「罠」をかわす方法を探している…

タグ: 中国経済 中所得国の罠

発信時間: 2011-05-26 10:37:11 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

「中国製」が国際市場で高い収入を得られないという現状の中、政府による有効な管理と調整によって「低収入・高福利」社会を作り上げることも、ある意味では様々な「罠」に対抗する一つの策なのかもしれない。

中信泰富政治経済研究部部長の王小強氏は、国際金融危機勃発以来一貫して、中国国内における資源の活用と市場の開発を重視する経済循環システムを作ることを提唱している。世界規模での産業転換は既に完了しつつあり、中国産業の模様替えはもはや「市場を技術に変える」やり方に頼れなくなってきたと同氏は見ている。そして、1980年から2007年の間にアメリカ製造業の増加値のGDPに占める割合が20%から11.7%にまで落ち込み、イギリスの製造業もわずか15%を占めるのみであることを例に挙げている。

中国はどうすべきなのだろうか。十数億の人口を抱える大国が、アメリカのように近代化できる可能性は低いだろう。それならば、内需を高めるための「着眼点」は中国なりの特色がなくてはならない。

この「中国なりの特色」とは、中国国内における資源の活用と市場の開発を重視する経済循環システムを作ることであると王小強氏は考える。大手国有企業が主体となり、水資源の分配(たとえば「南水北調」プロジェクト)や、資源の大規模開発(石炭化学工業やクリーン燃焼技術)を通して、重化学工業(重機を含む)を振興させ、産業の模様替えと大規模な都市化を実現し、多面的な産業構造を確立するというものである。こうすることで初めて、融通の利く持続的成長の可能な経済社会が生み出されることになる。

「中国網日本語版(チャイナネット)」 2011年5月26日

 

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