近頃、古い観念にとらわれず、様々なモノを借りて済ます「レンタル生活」を選ぶ人がますます増えている。経済的に仕方なく、と言う人もいれば、レンタルの方が性に合っている、と言う人もいる。いずれにせよ、「長期的に所有せず、短期間だけ享受する」という新しいライフスタイルが巷で流行し始めているようだ。「人民日報」海外版が伝えた。
▽「住宅ローンの奴隷」にならない気楽な生き方
従来の考え方ではほとんどの人が、家を持つことで初めて「身を固め、心のよりどころを得、独立した生活を送る」ことができると考えていた。しかし、住宅価格が急騰するに伴い、住宅を「購入」せずに、「借りる」方向にシフトする人が増えている。
結婚を控える周さんは、住宅問題を冷静に捉えており、「住宅を購入するつもりはありません。住宅ローンの『奴隷』にならない生き方は、気軽です」と語る。今は両室一庁(2ベッドルーム、1リビング)の部屋を借りており、結婚後はそこで暮らすつもりだ。外から見れば古い物件だが、内装はきちんとしていて心地よく、明るく清潔で、テレビ、冷蔵庫、エアコンなども全てそろっている。「住宅を購入するとなると頭金が大問題ですし、内装や家具にもお金がかかります。私たちの貯蓄ではどうにもなりません。家を借りれば、毎月にかかる費用を除いてもやや余裕がありますし、借りた方が割に合うと思います」。
周さんによると、彼女の友人の中にも賃貸物件で暮らす人が増えているという。
▽子供のためにピアノをレンタル
レンタルできるものは他にも沢山ある。上海、北京、深センなどの大都市では、楽器のレンタルが人気だ。
親なら誰しも、子供の芸術的素養を高め、何かしら特技を身につけさせたいと望むものだ。でもピアノなどの高価な楽器は買うのがためらわれる。一人娘をもつ王さんは「子供は何でも三日坊主になりやすい。ピアノは安いものではないため、買った後に子供が飽きてしまったらもったいない。だからまず安くレンタルして、子供の上達の様子を見ながら買うかどうか決めればいいんです」。
楽器レンタルを営むある店の主人によると、古筝やフルートなどの楽器は借りる人が多く、月額レンタル料は80元(約千円)、ピアノなどの高価な楽器は借りる期間によって異なるが、月額100元-150元(約1200-1800円)だという。また、一般家庭だけでなく、展示会や宴会で必要な企業がレンタルすることもあるという。