現在の国際舞台において、石油関連分野の競争は商業的な範囲を超え、大国間の経済的・軍事的・政治的な闘争の武器と化している。ある国の石油輸入依存度が60%を上回ると、石油供給の不安定性が高まる。そのため一部の国家は第2次オイルショック以降、石油貯蔵の仕組みを構築するため努力を尽くした。米国や日本等の先進国と比較して、中国の現在の石油貯蓄量は少なめで、約1ヶ月分しか確保できていない。石油の供給がひとたび途絶えると、深刻な影響を被ることになる。
これらの理由から、中国でオイルショックが発生する可能性は高まっている。オイルショックという概念は、かつての中国にとっては不可思議なものであったが、現在は一般人の話題としても取り上げられるほどだ。中国は後発の新興経済体であり、その石油の輸入先は政治的に不安定な地区である。中国はこれらの地区に対する抑制力を持たない。中東、北アフリカの石油産出地区の情勢が不安定化し、すでに中国に影響が及んでいる。これらの地区の石油需給が混乱し、供給ルートが途絶えれば、中国でオイルショックが発生することもありうる。
「人民網日本語版」2011年8月9日