中国の消費者は、中国を新たな高みに押し上げている。ウォール・ストリート・ジャーナルが報じた。
匯豊銀行が先週に発表した研究報告書によると、中国は今年にも日本を追い抜き、ぜいたく品の需要が最大の国家となる。同銀行は、西側諸国の富豪がぜいたく品を購入しなくなったとしても、中国消費者の支出は増加を続けると予想した。
その原因は、中国文化にある。同銀行によると、中国で富を見せびらかすことは一種の風潮になっており、個人のぜいたく品に対する支出増を支えているという。社会からの認知や、富を見せびらかしたいという心理等を理由としており、収入と消費のバランスが取れているとは限らない。また同銀行は、歴史的な原因も挙げた。かつて、中国やソ連といった社会主義国で、政府は個人が富を持つことを許可していなかった。伝統的に、個人資産とは非常に疑わしい存在であった。経済が開放されると、新たな社会的地位・区分が現れた。いくらお金を稼いでいるかによって、その人の地位が決まり、ぜいたく品を持つことで富を顕示できるのだ。
同銀行はまた、世界的な社会の変化(結婚の平均年齢の上昇、女性の経済的独立心の強化、ブランド意識の高まり等)もまた、中国消費者のぜいたく品に対する需要を後押ししていると指摘した。
「2010胡潤財富報告」の統計データによると、1363名の中国人の保有する個人資産が10億元(約120億円)を超え、その人数は前年比36%増となった。うち186人の個人資産は、10億ドル以上(約770億円)に達した。