米国の国会議員らの人民元切り上げを迫る行為は、実は米国の利益を害している。このようなやり方は人に害を与えるうえに自身の利益にもならず、米国を急速に二流国家にする。
中国人の99%は自分でまじめに働いた金で生活したいと考え、通貨の投機的売買で利益を得たいとは思っていない。中国政府も独自な為替システムを主導する権利を維持する必要があり、周りの思うままにされたくないと思っている。一方で、中国は人民元切り上げなど恐れていない。人民元が本当に切り上がれば、米国にとって大きな災難となる。人民元の対ドルレートが1対1に上がり、中国の約40兆元あるGDPが約40兆ドルになったとき、以下の状況が考えられる。
1. 中国のGDP総額は米国の3倍になり、世界の半分以上を占め、米ドルに代わってGDP世界一の地位に一気に上りつめる。
2. 人民元は米ドルに代わり、国際貿易と外貨準備の主要通貨になる。世界各国は、米国の債務危機の深刻化で米ドルを手放す。
3. 最大の債権国通貨として、人民元は世界で支持されるようになり、マネーサプライは国内需要を大幅に超える。「世界の中央銀行」だった米国に代わり、金融トップの地位を一気に獲得する。