◆米ドルの落とし穴を市場が警戒
正常な市場行為とはいえ、前回の250億ドル以上の減額と同様、今回の記録的な減額も市場の注目を集めている。多くのエコノミストは、「この背景には、米ドルの落とし穴に対する市場の警戒が見え隠れする」と指摘している。
エコノミストの余永定氏は文章の中で、「この20数年間、中国は経常収支と資本収益の残高を保持し続けており、外貨準備高の蓄積を招いた。ドル安によるリスクが増大する中、中国は米ドル資産の購入を迫られており、米ドルの落とし穴にはまりつつある」と指摘した。
データによると、中国の現在の外貨準備高は3兆2000億ドルを超え、うち3分の2は米ドル資産の投資と購入に充てられている。ドル安の継続は、外貨準備高の価値を維持する上で一定のリスクを形成している。しかし米ドル資産はその他の資産と比較して、一定の安定性・流動性の優勢を持つため、米国国債等の米ドル資産の購入も、実際にはやむを得ぬ措置なのである。
張副主任は、「中国が系統的・持続的に米国国債を手放しているという兆候はない。しかし中国は現在、ドル建ての外国資産を大量に保有しており、ドル安の際にリスクが生じる」と指摘した。