これまでずっと中国で崇拝されてきた欧米ブランドが、最近にわかに「トラブル続きの秋」を迎えている。グッチの従業員虐待事件、シーメンスの冷蔵庫事件、ウォルマートのブタ肉事件など、枚挙にいとまがない。「国際先駆導報」が伝えた。
欧米ブランドも不思議がっていると考えられる。これまでずっと忘れっぽく、欧米ブランドをすぐに放免してくれていた中国の消費者が、なぜ今のように厳しくなったのか。もうごまかしは利かないのか、と。中国の消費者はこれまで「欧米崇拝」だったが、今はそうではない。
問題ある多国籍企業の行いは、いってみれば目新しいものではない。たとえばウォルマートは、中国市場で罰を受けてはまた罪を犯し、罪を犯してはまた罰を受け、たびたび罰を受けても行いを改めず、先進国での「善良な企業市民」的イメージとは大きくかけ離れたことをしてきた。
実際、多国籍企業が中国市場でしっかり責任を取らないケースはしばしばみられる。中国社会科学院(社会科学アカデミー)が発表した2010年版「企業の社会的責任青書」によると、2010年の外資系企業の社会的責任指数は8.1ポイントで、中国の民間企業の13.9ポイントや国有企業の28.9ポイントを大幅に下回った。
だが旧態依然とした多国籍企業の姿勢が、規範化の進む中国市場に釣り合わないものとなってきた。消費者が欧米ブランドに改善を求めるケースもしばしば発生している。