中国の大手レアアース(希土類)企業、包頭鋼鉄は19日、レアアースの製錬・分離作業を1ヶ月停止すると発表した。包頭鋼鉄は「市場の安定と需給バランスの調整」が目的だとしている。
生産停止を実施したのは、「包鋼希土」が初めてではない。今年8月、中国大手資源会社、「五鉱有色」は工業情報化部から生産制限の要求をうけ、全国のレアアース企業に対し、自主的にレアアースの生産を停止するよう呼びかけた。
レアアース価格が最近下落し続けている。供給過剰の状況の下で、レアアース産業チェーン全般は今年上半期の価格急騰後の価格下降圧力に直面している。しかしながら、生産の停止が市場の安定と需給バランスの調整に効果があるとは考えにくい。
業界をよく知る人物は、「以前に買い占めを行い価格を高騰させたバイヤーたちが、資金の逼迫により、レアアースを売りに出している」と明らかにした。しかし、あるレアアース産業のサイトは14日、「現在、レアアース市場では相場を決める意味がなくなっている。価格が安くても、買う人がいないからだ」とのコメントを掲載した。
業界関係者は、「多額の融資を受けた多くのレアアース貿易業者が破産の危機に直面している」と指摘した。