現実を受け入れるには新しい理念が必要だが、これが日本の轍を踏まず先へ行くための大切な第一歩になる。これを理解するには、西側諸国は日本からもう一つ別の教訓を得なくてはならない。経済問題は周期的なもののみならず、構造的なものでもあるかもしれないという教訓である。
資金や支出を上乗せすることで日本をかつての栄光の日々に帰したいと東京の官僚主義者は望み続けているが、この望みが実現しない理由の一つに、経済成長を妨げる構造的障害という目前の問題を政府が一貫して解決しようとせず、その存在を認めることさえもしないという点がある。
過剰な監督や規制が企業の創造精神と競争力を握りつぶしているのである。また、貯蓄好きの日本人を消費へと向かわせるための努力も政策執行者は充分になしていない。そして最終的に、国の負債がギリシア以上の危険な領域にまで膨らんでしまった。