このほか欧米諸国は、彼らの経済復興にとって経済のグローバル化が極めて重要であることも認識しなければならないだろう。日本はこの点を今も認めていない。他のアジア諸国の経済はいよいよ一体化の度合いを増しているというのに、日本はいまだ外国からの影響を抑え、市場自由化を進めようとしない。これが原因で日本は、工業を低コストの隣国に転出したことによる自国の「空洞化」というグローバル化の負の影響を受けている。
昨今の米国での債務上限を巡るいきさつや、今も続くギリシア債務危機関連のいざこざを見れば分かるように、欧米は日本の後を追いつつある。欧州諸国は自国の銀行部門の非をいまだ認めようとしていないが、これも90年代の金融危機を経た後の日本が犯した大きな過ちの一つであり、銀行の問題が解決を見たときにはもう手遅れなのである。
日本から我々が学べるのは、目的意識を持った政治の有る無しがいかに大切かということである。これがなければ、欧州諸国はきっと日本の二の舞を演じることになるだろう。(米タイム誌10月30日号の掲載文書より)
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2011年11月6日