香港特別行政区の曽蔭権長官は8日、メディアの取材に応える中で、欧州債務危機が市場にマイナス影響を与えていることから、今年第3四半期(7-9月)には香港経済が衰退期に入った可能性があると述べた。来年の経済成長率は2%前後にとどまる見込みという。「新京報」が伝えた。
曽長官は短期的なグローバル経済の成長について悲観的な見方を示し、欧州債務危機が香港の輸出貿易、製造業、金融業、保険業などに影響を与えるためだとする。曽長官によると、香港はすでに衰退期に入った可能性があり、衰退が1年間続く可能性は高くないが、今後の数四半期にわたり困難な時期を迎えるとみられる。今年の経済成長率は5%で、昨年の7%を下回り、来年はさらに低下して2%になることが予想されるという。
ますます激化する欧州の債務問題、高止まりする米国の失業率がアジアの輸出ニーズに影響し、香港の9月の輸出は過去約2年間で初めて減少に転じた。香港証券取引所のハンセン指数は第3四半期に前年同期比21%低下し、2001年以降で最大の下げ幅となった。また香港は高いインフレ率や疲弊する住宅市場の影響を引き続き受けており、時価総額世界一の不動産デベロッパー・新鴻基地産発展有限公司(サンフンカイ・プロパティーズ)の株価も年初以来18%値下がりした。