数週間前、米国のヒラリー・クリントン国務省長官はForeign Policy誌への寄稿記事で、アメリカの「太平洋世紀(Pacific Century)」という概念を提起し、それに説明を加えた。先週ハワイ・ホノルルで開かれたアジア太平洋経済協力(APEC)のフォーラムでも、オバマ大統領の話題はこの「太平洋世紀」を終始離れなかった。「アメリカは太平洋地区の重要な一員であり、ここから去ることはまず考えられない」と大統領は述べる。
また、オバマ大統領は『環太平洋戦略的経済連携協定』(TPP)関連の協議をスタートさせ、アメリカの外交戦略における二つの要素を一つに融合させた。このいわゆる「21世紀貿易協定」は、知的財産権の保護や政府調達などの非関税問題を組み入れることが主旨である。
各国の貿易担当の間では既に、TPPが「次世代」の貿易協定としての特徴を盛んに議論されている。しかし実際に最も注目されているのは、アジア最大の貿易国である中国が参与していない点である。