ワシントンのアメリカ経済戦略研究所(Economic Strategy Institute)所長のClyde Prestowitz氏がその一人である。壮大な戦略目標についてアメリカは多くの時間を割いて研究してきたが、自国経済をどう補強するかに関してが手薄だったと彼は述べる。
また、インドネシアのスシロ・バンバン・ユドヨノ大統領は今週のAPECサミットで、アメリカの存在自体は歓迎するが、アジア太平洋地域が一つの超大国によって主導されるという状況は今後歓迎されないだろうとの見方を表明した。「新たな権力中枢が急速に形成されるなか、大国間の関係も大きく変わりつつある」との考えである。
利害関係のある国はすべて、外交関係におけるこの新たな趨勢を緊張局面に発展させたり、さらに悪化させたりしてしまわないよう努力する義務がある――このように彼は持論を展開し、「動的均衡」状態を保つことを提唱した。この概念を理解するのはかなり難しいが、その真意は要するに、現在はアメリカの太平洋世紀でも中国の太平洋世紀でもないということらしい。少々突飛な発想に聞こえるかもしれないが、ユドヨノ大統領が望むのはすべての人の太平洋世紀なのである。(英フィナンシャル・タイムズ11月18日『太平洋世紀は誰のものか』より)
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2011年11月21日