全国人民代表大会財政経済委員会の呉暁霊副主任委員(元中国人民銀行副総裁)は25日に開かれた第三回中国経済展望フォーラムで、中央銀行は2012年に預金準備率を一段と下げる可能性が高いとの見方を示した。呉暁霊氏は、「外貨買入の伸びが鈍化した場合、中央銀行は預金準備率を引き下げ、流動性を高めるに違いない」と指摘。一方で、その引き上げは金融政策の転換を意味するものではないと述べた。
呉暁霊氏は、2012年に中国経済の成長スピードが鈍化するのは必然的な流れだとした。その主因としては、国際情勢の悪化や中国の経済周期の変化などを挙げた。
呉暁霊氏は世界経済に関して、アメリカ経済の例を挙げ、与野党の政治対立が続く中で回復はしているものの、そのスピードは非常に遅いと指摘。アメリカ国民は貯蓄率を引き上げ、政府は赤字を削減し、バランスシートの改善に努めるべきだと述べた。さらに、呉暁霊氏はヨーロッパ経済がやや衰退したことで、新興市場国の経済はやや減速したとの見解を示した。