「メイドインチャイナ」の得失
中国現代国際関係研究院の研究員、江涌氏は、「メイドインチャイナ」の大きな成功の背景には、驚くべき代価が横たわっているという。イギリス、アメリカ、日本が「世界の工場」を担っていた時代、彼らは基本的に国際分業の主導権を掌握しており、国際資源を安く仕入れていた。
「メイドインUSA」と「メイドインジャパン」は1バレル数ドルで安い石油が仕入れられたからこそ成立したのだ。しかし「メイドインチャイナ」の時代は1バレルが数十ドルから百数十ドルであり、高い石油価格が常態なのである。
現在、「メイドインチャイナ」が必要とする生産環境と、核心となる技術は、両者とも立ち遅れており、設備のレベルも低い。鋼鉄、有色金属、石油化工、電力、炭鉱、建材などの15業種の技術レベルは、国際的に見て5~10年遅れている。