国内外の経済情勢が複雑化する中で、中国にはどのような課題があり、中国がどのようなチャンスに巡り合うのか?また、中国がどのような政策方針を採るべきなのか?いかにして安定維持の中から成長を目指すのか?先般開かれた第三回中国経済展望フォーラムでその答えが明らかとなった。
中国国務院発展研究センターの李偉主任は、「現在、世界は欧米における債務危機の打撃を受け、金融市場は混乱し、市場マインドも悪化している」と指摘した。
李偉主任は、「世界の経済情勢が悪化しているが、先進国と新興市場国が直面する問題は異なるため、各国が政策を同調させ、世界的に協力することは難しい」と述べた。また、2012年については、国際市場の低迷やエネルギー資源をめぐる競争の激化、貿易保護主義の拡大など多くの要因により、中国の輸出伸び率が著しく低下するとの見方を示した。
中央財政経済指導者チーム弁公室の楊偉民副主任は、世界経済の不透明性が増し、2012年の経済情勢は非常に厳しいものになると指摘した。
また、李偉主任は、「通貨供給規模はなお大きいものである。そのほか、コスト高や輸入型インフレなどの影響もあり、中国のインフレ圧力は無視できない。安定的成長の維持や物価の抑制、構造の調整、民生の改善を実現するのはかなり難しくなっている」と述べた。