イギリス『デイリー・メール』紙が近日、「高級ブランドショップ『北京ポンド(Peking Pound=中国人観光客がイギリスで消費するお金のこと)』受け入れ準備」と報道した。中国の春節(旧正月=旧暦新年)に備え、イギリスははるばる遠くからやってくる中国人観光客たちの消費による大きな儲けに期待している。
世界高級品協会(World Luxury Association=WLA)及び中国貿易促進委員会の報告によると、クリスマスシーズン、春節シーズンにおいて、中国人の海外での消費額は57億米ドル(約4370億円)に達し、世界最高額を記録した。
● データー
中国の春節、日本のデパート売上高10%増か
イギリス『デイリー・メール』紙によると、2011年、中国人観光客のイギリスでの消費額は64%増加し、1億6500億ポンド(約199億円)に達した。
イギリス・ロンドンのボンドストリートに立ち並ぶ高級ブランドショップでは、中国語が話せるショップ店員を新たに雇用し、高級デパート、ハロッズでも中国人観光客のために76台の銀聯カードが使用できるレジを完備した。
『日本新華僑報』によると、春節の休暇シーズンに日本を訪れる中国人観光客のおかげで、日本のデパートの売上高は通常の10%増になると専門家が指摘した。
● 例
変動する株式市場 中国人がカナダで家購入
CBC(カナダ放送協会)は、2012年春節シーズン、バンクーバーの不動産市場は高騰し、バンクーバー付近の不動産業者は皆、大きな儲けがあることに期待しているという。というのも、春節シーズンは家を売る絶好のチャンスであるようだ。
現地のMalcolm Hasman不動産によると、既に4家族に価格780万カナダドル(約5億9740万円)の家を紹介したという。「ここ数日、家を内見したいと言う電話が絶えなかった」とHasman不動産の責任者は話し、「新年(春節)」は、もともと中国では家が一番売れる時期だが、2012年は特に忙しかったという。そのため、株式市場の変動も大きく、買い手は皆、不動産に一大投資をしたいと望んでいる。
韓国『朝鮮日報』は、「旧正月(春節)」の長期休暇に休まず、昨年から通常営業を始めたという李氏を紹介した。李氏はソウルの南大門市場で旅行バック店を経営しており、多くの中国人観光客がこの休暇シーズンを利用して韓国に旅行に訪れるという。
李氏は「ここらにある店はみんな、春節に休んだりしないんだ。中国人観光客がたくさん来るからね」と話し、中国人観光客たちは多いときには、一回の買い物で10個ものバッグをまとめて買っていくという。そのため、南大門市場にある経営者らは「旧正月」の長期休暇シーズンを「春節大繁盛シーズン」と呼んでいるという。
韓国のミョンドンにある大型ショッピングモールのマネージャー・金さんは「春節シーズンは中国人観光客がいつもの倍近く訪れる。彼らは一度に100から200万ウォン(約6万8000円~13万6000円)の買い物をするので、お店側も中国人の観光客になじみ易いような商品の置き方を考えている」と話した。ショッピングモールの入り口には「中国語接客」と大きく掲げられていた。
● 期待
世界経済を救う
イギリス『フィナンシャル・タイムズ』紙は、年に一度の春節帰省ラッシュ(春運)は世界最大規模の人口移動であると紹介した。しかし、激しい帰省ラッシュは中国の人々だけでなく、ヨーロッパにも大きな影響を与えているという。不況に喘ぐヨーロッパはこのチャンスを利用して、経済の傾きを食い止めたいと考えているようだ。
アメリカ商務省の近日のデーターによると、外国人観光客の1回のアメリカ旅行での平均消費額は4000米ドル(約30万円)で、中国人観光客の場合、平均消費額は6200米ドル(約48万円)になるという。
中国人の海外での奮闘振りを見て、海外のメディアはこのように言っている。「世界を救えるのは中国人だけだ」と。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2012年1月29日