また、中国は2020年をめどに、約5億バレル、輸入量にして約90日分相当の石油備蓄量まで増やすプロジェクトを進めており、達成した暁には中国の戦略的石油備蓄量は世界2位に躍り出る。
しかし、それでも中国のエネルギーの対外依存度は益々高まっており、エネルギーのリスクは中国の健全な経済成長に大きなマイナス要因の一つとなっている。
アモイ(廈門)大学・エネルギー経済研究センターの林伯強教授は、「現在、中国の石油自給能力は壁に突き当たっているが、一方で石油の輸入量は急激に増えている」と指摘した。2003年から1年あたり約3000万トンのペースで増加しているという。
また、中国の石油輸入の大きな特徴は輸入国が極端に集中していることであり、中東とアフリカが主である。そのため、これらの地域で戦争や動乱が起これば、石油の供給はたちまちストップしてしまい、中国の経済は莫大な損害を受けることになる。
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