ソニー内部の異なる業務間の壁は厚い。70歳のストリンガー氏はCEO就任後、部門間の調和を強調していたが、大きく改善されることはなかった。
ソニーは昨日、2011年通年で29億ドル(約2233億円)の赤字を計上し、うちテレビ業務の赤字が23億ドル(約1771億円)に達する恐れがあると発表した。同社はエンターテインメント産業に進出するなど、多元化が著しいが、テレビ業務が依然として重きをなしている。
過去1年間、ソニーは各種取り組みを行った。液晶パネル業務が赤字を計上したため、同社はサムスン電子と共同出資したテレビ向け液晶パネルの生産ラインを売却し、海外テレビ工場各社を売却し、フォックスコン等の企業にテレビ生産を委託した。同社はまた、エリクソンから合弁企業ソニー・エリクソンの株式を回収し、携帯電話業務を強化することを発表した。
ソニーがサムスンとの液晶パネル工場を売却したことは上策と言える。同合弁企業は液晶パネルの供給が逼迫した際、ソニーに対して多くの製品を提供することがなく、サムスンに牛耳られていた。その一方で、パネル業務が赤字を計上した際に、ソニーが損失を負担する必要があった。
しかしソニーがサムスンやシャープのテレビ製品と競合する際、コスト面の優勢を占めることはない。サムスンとシャープは完備化されたテレビ産業チェーンを保有しており、共にテレビ向けパネルの世界的なサプライヤーである。
また一部の噂によると、今年よりアップルとグーグルがスマートテレビを発売すると見られる。IT企業が伝統的なテレビ業務に参入することで、これまでのテレビ企業は新たな競争に直面する。