レアアースの17種類の金属元素は現代工業に不可欠な「調味料」だ。現在、中国のレアアース埋蔵量は世界のおよそ36%を占めるが、国際市場での供給量は90%に達する。無秩序な開発により、中国には深刻な環境問題が起こっている。一部の生産企業は環境保護の意識が低く、あちこちの山を渡り歩くようなやり方で開発を進め、資源の利用効率が極めて低く、環境汚染をもたらしている。技術を向上させても、レアアース生産の汚染問題を徹底的に解決することは難しい。環境問題は中国に影響を与えるだけではない。内蒙古自治区で砂嵐が起こると、その日の内に日本に到達する。日本政府は一方では中国に環境保護意識を高めるよう促しながら、また一方では損害を省みず中国に内蒙古自治区のレアアース資源の大規模開発を継続するよう要求する。これは実に奇妙なロジックだ。
さらに米欧日は長期にわたり中国の貿易政策が国際経済の発展のアンバランスを形成したとして不満を抱いている。こうしたことを背景として、汚染度が高く、エネルギー消費量が多く、資源消費型の製品(「両高一資」)の輸出を管理しコントロールすることは、中国の貿易の均衡に向けた努力の重要なポイントだ。米欧日などは中国の輸出製品が多すぎると批判する一方で、自国で開発コストが高く、汚染度の高い資源性製品(たとえばレアアース)の開発を進めることを願わない。それどころか中国がこうした製品の輸出に割当額を設定していることを非難する。こうした米欧日のダブルスタンダードぶりは受け入れがたい。
現在世界で展開するレアアース貿易紛争に対して、中国は国際貿易ルールを十分に運用して、理性的に落ち着いて対応する必要がある。