長期的にみれば、中国は長期的で持続可能なレアアース発展戦略を確立する必要がある。第一に、中国のレアアース企業の合併再編を加速させて、小規模企業が分散するという状況や企業の規模は大きいが弱いという状況を根本的に改善しなければならない。第二に、法律制定を通じて、開発加工技術の管理や環境保護の管理を強化し、市場参入の管理システムを改める必要がある。第三に、中国は世界の鉄鉱石貿易の中から教訓をくみ取り、新しい国際競争ルールを踏まえた業界団体の構築を奨励し、生産取引の段階での無秩序な競争という問題を根本的に解決する必要がある。生産企業にとっては、自社製品の価格設定権を守り通すことがぜひとも必要だ。
総じて言えることは、現在のレアアースをめぐる国際貿易紛争に対しては、あらゆる「陰謀論」や民族主義的な感情は何の役にも立たないということだ。われわれはWTOの訴訟に積極的に対応すると同時に、自国の政策の目標を明確にし、総合的で長期的なレアアース戦略を早急に制定する必要がある。レアアース資源の保護の問題をめぐっては、適切な措置を打ち出しさえすれば、何も悲観する理由はない。
*筆者は清華大学経済外交研究センターの主任と補助研究員
「人民網日本語版」2012年3月16日