原田氏は、これらの特徴は「90後」、「00後」にも見られ、「80後」が中国の新生活を導く開拓者となっており、「70後」は時代遅れであると指摘した。「80後」が中国の消費の主体となると、それ以上の年齢層をターゲットとする商品の売れ行きが突如鈍った。「80後」のハートをつかむことは中国を制することを意味する。日本企業は「80後」という消費主体の心を引きつけることにより、日本経済に新たな活力を注ぎ込むことができる。
原田氏は中国の1991人の「80後」を対象に調査を実施し、「月光族」(月給を使い果たす人々)、「洗練族」、「透明族」、「飯族」の4大消費族群に区分した。
月給を全て使って衝動的に高額な商品を購入してしまう月光族は、「80後」のうち44.6%を占めた。日本企業にとって、月光族は販売に有利な新型消費群であり、強力なブランドを確立する上で攻略が必要となる。
洗練族は35.9%で、社会的意義のあるモノや 自分らしさを体現できるモノであれば、何も考えずに衝動的に消費するという特徴を持つ。原田氏は、洗練族が「友人や家族と有意義な時間を過ごすために消費する」という特徴をつかみ、効果的なマーケティングを行うべきと指摘した。
透明族は31.8%で、将来設計に長け、計画的に消費を行う特徴がある。日本企業は透明族が描く「未来予想図」を対象に、必要な商品やサービスを開発し、消費を促す必要がある。
飯族は34.2%で、多くの人々が持つモノに対して興味を抱かず、特定ブランドの商品を使用し続ける特徴がある。日本企業はターゲットを特定し、好まれる商品を発売し、長期的なリピーターとする必要がある。