◆ブランド消費、中日両国の分水嶺に
中国と日本の「80後」の消費には、どのような差があるのだろうか。原田氏は、「個人的に、中国の80後の消費には、ブランド志向の特徴があると感じている。例えば、ブランドの商標が目立つ位置に示されているのを好む。また限定販売に弱く、商品そのものの品質よりも、ブランドの知名度を重視する。しかし近年、彼らは品質を重視するようになり、シンプルなブランド商品を求めている。一方で日本の若者は長期的な不況を受け、ブランド離れが進んでおり、高額なブランド商品からリーズナブルでおしゃれなブランドに視線を移している」と語った。
原田氏はまた、「中国の80後が最も好む日本製品を特定するのは難しいが、最も象徴的な製品は自動車である。一般的に日本車は欧米車より安価で、韓国車より高額であり、手頃な価格で品質は一流に達する。中国では現在、車や家がなければ結婚は難しい状況だ。かつての日本と同様、中国の若者は車に憧れている」と指摘した。
◆「草食化」が中国にも蔓延
原田氏は、「成熟段階に入った日本の若者と比べ、中国の80後の旺盛な消費欲には驚かされる。ただ本書の執筆を開始してから現在までの数年間で、中国の80後(特に大都市の80後)に草食化の傾向が見られるようになり、消費欲が停滞に向かっている。この点に関しては、中国の80後にも日本の若者と同様の傾向が見られる」と述べた。
原田氏の語る「草食化」とは日本の流行語で、温和で争いごとを好まず、自信と意欲が欠け、社会的責任を避けたがる人々を指す。
「人民網日本語版」2012年5月17日