約4年間に渡りストップされていた銀行資産証券化の再開は、銀行業界に好材料をもたらす。資産証券化は銀行資産の効率、流動性の向上、リスク資産の減少、自己資本充足率の向上、銀行貸付能力の増強につながり、銀行業にとって、利益成長の原動力が強化されることになる。
◆各行に積極的な動き
20世紀で最も偉大な金融イノベーションと称された銀行資産証券化制度は、今世紀最大の金融危機をも招いた。2008年のサブプライム問題は、開始されたばかりの中国の銀行資産証券化に急ブレーキをかけた。
関連部門はこのほど、『信用貸付資産証券化の試行拡大の関連事項に関する通知』を共同発表し、約4年間に渡り停滞していた銀行資産証券化を再開させた。
報道によると、今回の上限額は計500億元に設定されており、各行は早くも参入の意志を示しており、分け前にあやかろうとしている。交通銀行は30億元規模の債務担保証券を発行する計画で、一番手として名乗りを上げる構えだ。国家開発銀行、工商銀行、建設銀行、民生銀行、光大銀行等の各行もまた、利益の拡大を狙いそれぞれの計画を提出している。
ナリストは、「試行規模は小規模だが、重大な意義がある。この投じられた一石が、大きな波紋を生む可能性がある。500億元の上限額は2005−2008年の実施期間の総額に迫る。一般的な取引の傾向を見ると、リスクも抑制可能である。政府部門の証券市場の支援に向けた決意が伺われる」と指摘した。